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「双眼鏡を覗いてみたら」~大歳神社~(シリーズ⑪)
投稿:2014.05.01
「双眼鏡を覗いてみたら」 ~大歳神社~(シリーズ⑪)
タワーの西側、JR下関駅に近い国道9号傍にある鳥居から長い階段を上がったところに青銅葺の3つの屋根が目立つ。大歳神社である。源平合戦壇ノ浦の戦に際し源義経が戦勝祈願を行なった所として有名である。実は、この社殿は1940年(昭和15年)に関門鉄道トンネル工事の時、山陽線の線路が敷設されたため、JR下関駅付近から現在地に移転された。神社の由緒に「平家追討の任務を負った源義経は平家が布陣を整える彦島を望む有明山に小松を植え、篝火(かがりび)を焚き、二日二夜の斎戒沐浴(さいかいもくよく)をして戦捷(せんしょう)祈願をこめた。その後、祈念を注いだ桑の弓矢もって平知盛率いる平家軍に開戦の矢文(やぶみ)を射込んだ。・・・文治2年(1186年)四軒の漁民が義経の祈願の有様を畏敬してこの地に神祠(しんし)を祀った」とあり、社殿に「義経戦捷の弓」の画碑がある。
また、この神社は1863年(文久3年)高杉晋作により結成された奇兵隊旗揚げの軍旗が奉納されたことで知られ、ここの大鳥居は、その前年、白石正一郎が四国連合艦隊との交戦の最中、攘夷成就を祈願して奉納したものである。
今年もまた、5月3日の平家一門を偲ぶ豪華絢爛な先帝祭がやって来る。歴史の転換期に必ず登場する下関の地。春のこの時期、古(いにしえ)に思いをはせ史跡を巡ってはいかがだろうか。
(写真は、①海峡ゆめタワーから見た大歳神社②大鳥居③「義経戦捷の弓」の画碑)